弓道

休む

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 【弓を休む】
 弓道をしていると忙しい。毎日の練習や連盟の例会、連盟が所属している地区の例会、各種射会。さらに講習会や審査と、スケジュール表の週末は弓道関連の行事で埋まってしまう。家族の理解と協力がなければ続けられるものではない。健康で経済的に安定した生活が送られること、家族の理解があること。これが弓道を続ける重要な要素であると思う。弓道を本当に続けたいと思ったら、仕事をし家庭もおろそかにせず、心置きなく弓を引ける環境を自分で作るよう努力するのも大切な修練だと思う。
 家族の理解を得るには、弓道を見てもらうのが良いと思う。試合の見学や練習している道場を見てもらうことで、理解は深まるだろうし、道場の人たちと挨拶することで、安心もするだろう。各地の神社ではお祭りにあわせて奉納射会も行われるから家族と連れ立って出かけ、地域で活動している流派の射を見学したり、出店での買い物を楽しんだりすることも出来る。地域の故事にまつわる射会などもあるから、家族に弓道を知ってもらう良い機会である。

 
 長い弓道生活のうちには、どうしても弓を引くことが出来ない時期もある。仕事の都合で忙しくなったり転勤したり、また、結婚して生活環境が大きく変わったり、出産と育児という問題もある。そういう弓を休む時に、どう過ごすのかは各自の問題であるが、工夫して続けている弓人もいる。先輩の思い出話に、道場に乳飲み子を連れて巻き藁台に紐でしばっていたなんていうのも聞くが、仲間の理解があっての話だろう。私は道場に赤ちゃんがいても気にならないし、みんなでお世話すればいいと思う。弦音を聞いて育てば良い弓引きになるだろうなどと勝手な想像をするのも楽しい。だが、現在の公営道場では難しい事かもしれない。


 私にも仕事の都合で弓を引くことが出来なかった時期がある。道場に行くことが出来なかったのに加えて、弓に触ることが出来なくなった。庭に巻き藁もあり、練習しようと思えば出来ないこともなかったし、実際、巻き藁練習をしていたこともあったが、あるとき、弓と会話をしていない自分に気づき、弓に触れられなくなったのである。殺伐とした仕事の中で、精神的に疲れていたのだと思う。私は弓を置き、弓道に関する一切、弓道誌をとることも止め、本を読む事すら出来なくなった。正直なところ疲れた心で弓に触るのは弓に対して失礼に思えたし、弓に叱られるように思えた。弓が怖かった。
 ただ、私は弓道で多くの先輩のお世話になっていたし、止める気持ちは全くなかった。なにより、弓を引く清清しさが好きだったから、なんとかして弓道の世界に戻りたかった。そして戻ることが出来た。
 少しずつ、心と体を弓が引けるように準備し、戻ってきた。幸い先輩方は今まで通りに迎えてくださったし、新しい仲間も一緒に弓を楽しんでくださっている。有り難い話である。


 様々な理由で弓を休むことがあると思う。他の趣味と出合ったり、弓道が自分に合わないと感じるようになる人もいるかもしれない。早気が直らず悩み弓を止めてしまったという話も聞くし、道場の人間関係で止めてしまう残念な別れもあると思う。それは、それぞれの人が経験する出会いであり別れだから、他人が口出しできる話ではない。
 ただ、休んでいるときに、もし心の中に弓を思い出すことがあるのなら、自分にとって弓道がどうゆう存在なのかをじっくりと落ち着いて考えてみる事をお奨めする。試合が楽しい人、審査を受けて段位を取りたい人、道場で仲間と練習したい人、いろいろな楽しみがあるが、貴方にとっての楽しみはなんであろうか。そしてどのような弓道人になりたいのか。そんな事をしっかり考えると良いと思う。弓道を再開したとき、その思索の有る無しによって、大きくその後の弓道が違うと思うのである。
 

 【草枕】
 発心と初心  道場  習う  講習会
 教える  教本を読む  審査を受ける  弓を休む
 射法八節  基本体  息合いと間  澄まし
 トレーニング  道具に習う
 【リンク集】
 連盟・協会  実業団  大学・高専  高校・中学
 個人  弓具店・用品  流派  弓道場
 宿泊  その他
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